2025年6月5日木曜日

FM-11用のアダプタを用いてFM-7用カードの動作をテスト

アダプタを使用してFT-245通信カードとRTC_SDカードをテストしました

前回の報告で作成したアダプタを使用して2種のカードのFM-11での動作テストをしてみました。

1.FT-245通信カード

使用したプログラムですが、大きな変更として2HDディスクではトラック0、サイド0のみが128bytes/sctですので、それに対応するようにFM-11側、Windows側ともに対応する必要がありました。その他にも細かい変更が必要でしたが、何とか2HD、2Dの両方に対応することができました。

これが修正したWinodws側のFT245DRVforFM-11の動作画面です。現在のところメディアは2HDと2Dの2種、DOSはF-Basic5.0,4.0とその他(F-Basic3.0等)、通信経路はRS232CとFT245通信カードで動作しています。


FT245DRVforFM-11


結果ですが、通信経路としてRS-232Cを使用した場合には19200baudでFM-11->Windows、Windows->FMの両方向とも正常にディスクイメージの転送ができました。しかし、FT-245カードを使用した場合には、FM-11->Windowsは正常に動作し、FM-11のディスクイメージがWindowsに読み込まれましたが、逆方向のWindows->FM-11では動作しませんでした。

転送速度はRS-232Cでは2HDで13分余、2Dで5分であるのに対してFT-245カードでは2HDで2分、2Dで1分と大幅に異なりますので、FM-11への転送もぜひFT-245カードで行いたいのですが、、、

今のところ、FM-11への書き込みができないのは、そもそもWindowsが送り出したデータがFM-11に受信されていないことにあることは確認していますが、その原因はまだ分かっていません。(どうも、割り込みの制御と関係がありそうなのですが、、、)

ということで、FT245通信カードでのFM-11への書き込みがまだ実現できていませんが、一応(!)使えそうだということが分かりました。


2.RTC_SDカード

OS-9やFlex9の起動時には日時を入力する必要がありますので、その手間を省くためにはリアルタイムクロック(RTC)が必要です。

FM-7ではRTC_SDカードを製作して起動時に自動的に日時を取り込むようにしていましたので、そのカードがFM-11でも使えないかをテストしました。

これがテストしたRTC_SDカードです。(このカードについてはブログ「FM-7にRTCとSDを接続する試み(その4)2023年4月25日」で紹介しています。)


RTC_SDカード


現在のところ、FM-11のF-Basic5.0の時刻関係のワークエリアが分かりませんので、とりあえず320KBドライブからF-Basic3.0を起動して、その上でFM-7用のRTCプログラム(RTC_RD、RTC_WR)を変更せずにそのまま実行してみました。

なお、使用した320KBドライブからF-Basic3.0を起動するシステムディスクの作成については、知人から教えていただいたOh!FM誌1985年2月号の「F-BASIC V3.0をFM-11で走らせる」によります。ありがとうございます。

これがRTC_SDカードを装着した様子です。アダプタの上に装着しています。


カード装着の様子


ちなみに、画像中の768KB拡張メモリカードは、ブログ「まごころせいじつ堂」を公開しておられるほうめい様がBOOTHで頒布されているFM11RAM基板のgerberファイルを用いて基板を起こして作成したものです。貴重な資料を公開していただきましてありがとうございます。


RTCが動作した


結果は画像のように、RTC_WRで日時を設定し、電源を落としてから再度ONにしてRTC_RDで日時を読みだしてみましたら時刻が保存されていましたので、RTC部はFM-11でも使用できることが確認できました。ただし、F-Basic5.0ではこれらのプログラムは正常に動作しませんでした。今のところ、F-Basic5.0で日時データが保存されているワークエリアが分かっていませんので修正できていません。

以上の結果を踏まえて、FM-11用のFT245通信カード、RTCカードのプリント基板を作成中です。


2025年6月4日水曜日

FM-11にFM-7等のカードを装着するためのアダプタを作成

 FM-11にFM-7等のカードを装着するためのアダプタを作成しました

先日、昔からあこがれていたFM-11AD2(OS-9Level2、F-BASIC5.0付き)を某オクで入手しました。AD2+ではないのがちょっとだけ残念ですが、いつ出品されるか分からないものを待っていても仕方がないということで、、、

触ってみた印象ですが、とにかく大きくて重い。FM-7系のようなアマチュア向けではない印象です。そしてOS-9L2の起動にかかる時間がかなり短いのが、OS-9をメインに使用するつもりの私にとってはとても嬉しい点です。

私はFM-7系しか触ったことがないのですが、今までFM-7系で蓄積(!)したハード・ソフトを何とか使い回ししたいのですが、そのためには、ソフトは全てWindows機中に保存しているのでWindows機との間でのファイル転送が必須ですし、さらに2Dメディアを使うためには320KBドライブも必要です。

とりあえずハード面では、今までに作成したFM-7系用の自作カードがFM-11上で動作するかを確認する必要があります。そのために32Pスロット用のカードを装着するためのアダプタを作成しました。

付属してきた「FM-11 本体拡張バス仕様」によりますと、FM-7の32PスロットにはあるIOS信号がありませんでしたので、IOIHB信号を用いて作成する回路を追加しました。

まず手配線で作成して動作することを確認した後、プリント基板を作成しました。使用しているコネクタは64ピンです。


作成したアダプタ基板


組み立てた状態の表面


その裏面


メイン部・サブ部の回路


アダプタの使用例1・・・FDCカードを装着

プリント基板を発注して届くまでの間、手配線のアダプタを作成し、それを用いてFM-7で使用している自作FDCカードをFM-11に接続して、320KBのFDドライブが動作しないか試してみましたが動作しませんでした。


手配線の第1作

FM-11にセットして


FDCカードを装着

「Retro PC Gallery」のはせりん様によりますと、FM-11はDMAを使用してFDを読み書きしているのでFDC回路もDMA対応にする必要があるとのことです。

FDC回路の変更は荷が重いと悩んでたところ、幸いなことに知人から2Dドライブインターフェースカードを頂くことができました。ありがとうございました。
ということで、自作のFDCカードを使用する必要はなくなりました。。。

このカードの先に手持ちのいくつかのドライブを接続してみました。

・5インチ2DドライブのTEAC FD-55B
・FM77AV2から取り外した3.5インチ2DのFD-625
・PC用の3.5インチ2HD/2DDドライブ(StepDoubler回路を使用せず直結)
・PC用の3.5インチ2HD/2DDドライブ(StepDoubler回路経由)

これらのうち、残念ながらStepDoubler回路経由の場合にはF-Basic3.0が起動はするもののファイルは正常には読み書きできませんでした。この結果はF-Basic5.0モードの場合も、320KBから起動したF-Basic3.0モードの場合のいずれも同様でした。StepDoubler回路を通さず直結した場合には正常に動作しましたが、これでは通常の2Dディスクとの互換性がありません。

ということで今の段階では、通常の2Dディスクと互換性のあるディスクが必要な場合にはYD-625を使い、互換性のないディスクで良ければPC用ドライブが使えるということになりました。


プリント基板で作成したアダプタについて

「FM-11 本体拡張バス仕様」によると、拡張バスは100ピンもありますが必要な信号がほとんど64ピンまでに集まっていますので、通常の2.54mmピッチ2列の64ピンL字コネクタを使うことができ、コンパクトに作成することができます。

手配線で作成したものは使用した32Pスロットの関係で、画像のように基板が横向きになってしまいましたので、基板化するにあたっては2枚の基板を90度に組み合わせて、使用確認する基板を縦に装着できるように工夫しました。いつものごとく、コネクタの向きを間違えてしまって作り直すことになりましたが、最終的には先頭の画像のようにそれなりにコンパクトなものが出来上がりました。


続いてのアダプタの使用予定・・・FT245高速通信カード、RTC_SDカード


このアダプタは、そもそもFM-7用に作成した自作カードがFM-11でも使用可能かどうかを確認するためのものです。
次に使用確認したいカードとしては、FT245高速通信カードとRTC_SDカードがあります。RTC_SDカードのSD部についてはF-Basic3.0の内部コードを多用しているので移植は無理だと思いますが、RTC部は移植したいです。これがあるとOS-9やFlex9の起動時に毎回日時を入力する手間を省くことができますので。

(次に続きます)