2020年5月16日土曜日

FM-7用 58K CP/M-80が一応出来上がりました

RAMモードで動作する58K CP/M-80が一応出来上がりました


Z80カードを製作した勢いでつい手をだしてしまって、もっと簡単にできると思ったのに意外に手間取ってしまい、一ヶ月ほどもかかってしまいましたが、FM-7用のCP/Mが一応できあがりました。
まだまだ直すべき箇所が多々ありますので完成とは言いすぎですが、切りがないので一応の区切りとします。

実行画面


仮想ドライブ画面



装置全景(左がFM-7用のディスプレイ)



メモリマップ


前回のブログで紹介したのはROMモードで$0000~$7FFFの範囲で動作する26K CP/Mでしたが、BIOSを使用せずSubSystemを使用することで、下図のメモリマップのように$0000~$EFFFの範囲で動作する58K CP/Mとなりました。



  58K CP/M-80



3つのファイルから構成されています。


(1)CP/M本体
  サイト「The Unofficial CP/M Web site」中のソース cpm22.z80 を使用しました。
  中日電工さんのサイトに説明されている通りにソースのバグを修正し、ドライブ名の表示を大文字に変更しただけで、あとはオリジナル通りです。58K CP/Mとしてアセンブルしました。
(2)BIOS80
  BIOSのZ80部分で、BIOSのジャンプテーブル、DISKパラメータの他はほぼパラメータをセットしてコマンド番号を6809に送っているだけです。
(3)BIOS09
  BIOSの6809部分で、FM-7のBIOSは用いず、FDD関係はFDC (MB8877A) を直接コントロールし、それ以外はSubSystemを使用しています。


CP/Mとしての機能


CP/Mとしての機能はベーシックなもので、エスケープシーケンスなども実装していませんが、仮想ドライブは実装してありますので、フロッピーが2台、仮想ドライブが2台の計4台です。
ドライブA, Bがフロッピー、C, DがWindows上の仮想ドライブです。以前紹介したRS232Cカードを用いて38400baudで通信しています。



構成図

RS232Cのドライバも実装しているのでPUNCHとREADERも使えるのですが、実際にはまず使用することはなく、もっぱらWindows上のエディタでファイルを作成し、ドライブCかDにセットしたCP/Mのイメージファイル(.77または.DSK形式)にドラッグ&ドロップしてCP/Mでアセンブルしたり、必要があればフロッピーにコピーしたりして使用しています。


機能不足や不具合など


相変わらずブロッキング/デブロッキング機能は実装していませんので、ディスクアクセスは速くはありませんが、そのうちにということで今回はパス。(そもそもブロッキング/デブロッキングについては良く分かっていないので。)

現在分かっている不具合がいくつかあります。
(1)カーソルが表示されない。
  もちろん、SubSystemのCONSOLE CONTROLでカーソル表示をONにしていますが、6809側では表示されますが、Z80側に切り替わるとカーソルが消えます。
今のところ原因が分からず、直せていないので結構不便です。

(2)スタート時にドライブを指定する必要がある。
  スタート直後にディレクトリを表示させると、DIRやDIR A:は表示されるのですが、DIR B:などはダメです。最初にドライブチェンジのB:やC:などを一回実行しておけば以降は普通に表示できるのですが、なぜでしょうか。BIOSがおかしいのは間違いないのですが。


制作した2つのソフト


下にBIOS80とBIOS09を置いておきます。80系の知識がほとんどない私が作ったものなのでおかしな点が多々あるかと思いますが、おかしな箇所や不具合の原因などをご指摘いただけるとありがたいです。

◎BIOS80です。中日電工さんのブログで紹介されているZASM1.64でアセンブルしています。

 


 ◎BIOS09です。自作のクロスアセンブラでアセンブルしています。

 

上記のソフトはまだ制作途中ということで、エラー処理などは不十分ですのでディスクアクセスに失敗などするとハングアップしたりします。

ということで、不具合はありますが何とか使える状態なので、今は、最近入手した「応用CP/M 村瀬康治著」中のシステムコールの実習を一つずつ走らせて確認しているところです。

なお、仮想ドライブ構築ソフトCpmDrvWin.exeですが、もうしばらく使用して不具合が出ないかを確認してから公開する予定です。



2020年5月2日土曜日

CP/M用の仮想ドライブの構築ソフト(その2)

仮想ドライブ構築ソフトCpmDrvWin.exeをCP/Mに接続してみました。


前回報告したCpmDrvWin.exeをCP/Mに接続してみました。
書き直したのは、CP/MのBIOSの6809側のルーチンのみで、DrvNoが0(A:),1(B:)の時は従来のFDDアクセスルーチンのままで、2(C:),3(D:)の場合にはRS232Cを通してCpmDrvWinと通信して仮想ドライブ中のファイルを読み書きします。

具体的には、ファイルを読む場合にはCpmDrvWinに対して’R',DrvNo,TrkNo,SctNo(+チェックサム)という文字列を、書き込む場合には’W',DrvNo,TrkNo,SctNo(+チェックサム)という文字列を送って、その結果を受け取るだけです。



ディレクトリを表示

ドライブA:はフロッピーディスクで、ドライブC:とD:が仮想ドライブです。
まだテスト中ですので、BaudRateを4800baudと遅くしてありますが、完成時には38400baudになります。


ドライブC:のディレクトリ表示時

右のテキストボックスは受信したコマンド列を表示しています。
Trk2,Sct1から始まって、各2回ずつ読んでいるのが分かりますが、これはブロッキング・デブロッキングをちゃんと行っていないためです。(何とかしなければ...)


ドライブD:のディレクトリ表示時

ディレクトリの範囲はTrk2のSct1~16なのですが、ドライブD:の場合のように、ファイル数が少なくても、その範囲のセクタを全て読んで、空を表示しています。(これはBDOSの仕様なのか、それとも自作BIOSの責任なのか...)

前回のブログで書きましたように、左のリストボックス中にWindows上のファイルをドラッグ&ドロップしてファイルを追加すれば、CP/Mからそのファイルにアクセスすることができます。

また、CP/MとWindows上のCpmDrvWinとの間の通信部分は、Flex9用、F-Basic用などと共通で、8251A使用のRS232Cカードや以前発表した拡張I/Oボード上の6850(ACIA)使用の場合の通信ルーチンが使用できますが、FM-7でも6850(ACIA)の方はあっさりと38400baudで動いています。

未だ完成ではありませんが、とりあえずこの程度でできるのだというサンプルとして、BIOSに追加した仮想ドライブアクセスルーチンを記しておきます。

*================================================
*read windows virtual drive
RDWDRV EQU *
*read 256bytes
 BSR READSUB2
 LBRA RE0

*read 256bytes
READSUB2 EQU *
RDS0 CLR CSUM
 LDA #'R
 LBSR SNDCH read cmd
 BSR ADDCS
 LDA DRVNO
 LBSR SNDCH drv
 BSR ADDCS
 LDA TRKADR
 LBSR SNDCH trk
 BSR ADDCS
 LDA SCTADR
 BSR SETSCT2
 LBSR SNDCH sct
 BSR ADDCS
 LDA CSUM
 LBSR SNDCH csum
*wait receive ACKorNAKorESC
*  if NAK then re-send 'R',Drv,Trk,Sct,csum
*  if ESC then error return
*  if ACK then next
RDS1 LBSR RCVCH
 CMPA #NAK
 BEQ RDS0
 CMPA #ESC
 BNE RDS2
 LDA #$FF *error
 RTS *error end
*
RDS2 CMPA #ACK
 BNE RDS1
* send ACK
 LBSR SNDCH ACK
*receive data(256bytes),csum
*  data is saved to Buffer(X)
*  if csum error then send NAK
*  if csum ok then send ACK and to next process
RDS3 LDX #RCBBUF
 CLRB counter(256)
 CLR CSUM
RDSLOP LBSR RCVCH data
 STA ,X+
 BSR ADDCS
 DECB
 BNE RDSLOP
 LBSR RCVCH csum
 CMPA CSUM
 BEQ RDS4
 LDA #NAK
 LBSR SNDCH NAK
 BRA RDS3
*
RDS4 LDA #ACK
 LBSR SNDCH ACK
*wait receive ACK
RDS5 LBSR RCVCH
 CMPA #ACK
 BNE RDS5
 RTS
*
*return A:sct,BUFHL:0or1
SETSCT2 EQU *
 CLR BUFHL
 LDA SCTADR ;sct
 BITA #$01
 BEQ SE21
 DECA
 INC BUFHL ;0:even, 1:odd
SE21 LSRA
 INCA
 RTS
*
*--------------------
*add check sum
ADDCS EQU *
 ADDA CSUM
 STA CSUM
 RTS
*--------------------
*write windows virtual drive
WRWDRV EQU *
*read 256bytes
 LBSR READSUB2
*set write data
 BSR WRDTSET
*write
WRW2 CLR CSUM
 LDA #'W
 BSR SNDCH write cmd
 BSR ADDCS
 LDA DRVNO
 BSR SNDCH drv
 BSR ADDCS
 LDA TRKADR
 BSR SNDCH trk
 BSR ADDCS
 LDA SCTADR
 BSR SETSCT2
 BSR SNDCH sct
 BSR ADDCS
 LDA CSUM
 BSR SNDCH csum
*wait receive ACKorNAK
*  if NAK then re-send 'W',Drv,Trk,Sct,csum
*  if ESC then error return
*  if ACK then next
WRW3 BSR RCVCH
 CMPA #NAK
 BEQ WRW2
 CMPA #ESC
 BNE WRW4
 LDA #$FF  *error
 BRA WRW7 *error end
*
WRW4 CMPA #ACK
 BNE WRW3
*send data(256bytes),csum
*data is in Buffer(X)
WRW5 LDX #RCBBUF
 CLRB counter(256)
 CLR CSUM
WRWLOP2 LDA ,X+
 BSR SNDCH data
 BSR ADDCS
 DECB
 BNE WRWLOP2
 LDA CSUM
 BSR SNDCH csum
*wait receive ACKorNAK
*  if NAK then re-send data(256bytes),csum
*  if ACK then next
WRW6 BSR RCVCH
 CMPA #NAK
 BEQ WRW5
 CMPA #ACK
 BNE WRW6
 CLRA *no error
WRW7 STA PTOZ80
 LBRA TOZ80
*
*======================================

ということで、あちこちに不備があってまだまだ修正の必要がありますが、CP/M用の仮想ドライブのプロトタイプがとりあえずできたという報告でした。