2022年11月18日金曜日

FM-7,77,AV用増設サブシステムカードの製作

Oh!FM誌の1989年8月号から1989年12月号までに連載された「増設サブシステムカード」を製作しました

知人から上記の記事を紹介され、製作してみたいと思って部品(V9938やそれ用の64ピンソケット、64Kx4bitのD-RAM、そして21.47727MHzの水晶振動子など)を既に集めていると言われたのですが、記事を読むと使用しているビデオディスプレイプロセッサ V9938は64ピンのシュリンクソケットですし、D-RAMは3段重ねの実装ですので手配線では難度が高いと判断し、プリント基板を作成することを提案しました。

6個のD-RAMを並べ、V9938の64ピンシュリンクソケットを配置しても100x80mmのサイズに収まりましたので、これで行けると判断してプリント基板を発注しました。

しかし、いつものようにドジをしてしまい、9ピンD-Subの取り付けを裏面にすべきだったのを表面に配置してしまいました。幸い左右対称ですので、無理矢理裏面に実装することにしましたが...

出来上がったのがこの基板です。


V9938基板


それ程無理をせずに配置できています。記事ではシールド線を使用しているV9938から9ピンD-Subへの配線を基板左端に集めてあり、もしこの配線ではノイズが乗ってダメな場合にはこの配線をカットしてシールド線で追加配線できるように考慮してあります。

実装した状態が下画像です。

実装済み基板


まず、知人が製作して動作テストを始めてくれましたが、全く動作しないとのことでした。プリント基板のパターンを追いかけたところ、当初、記事中の回路図にミスがあり、そのままでgerberファイルを作成したのですが、発注前にそのミスに気づいたので回路図を訂正し、gerberファイルも書き直したつもりだったのですが、うっかりと訂正前のgerberファイルで発注してしまっていました。

2箇所のパターンカットと3本の追加配線を行ってもらうことで無事に動作するようになりました。なお、このミスや裏返しになった9ピンD-Subなどを修正した基板を発注中です。

当初は製作と動作テストは知人に任せるという他力本願のつもりでしたが、記事を読み込んでいるうちに自分も製作してみたくなり、部品を集め始めました。V9938はメルカリで、64ピンシュリンクソケットと水晶振動子はaitendoで購入することができました。

製作した基板が上に示した実装済み基板です。

なお、本体基板の他に出力表示用の回路が必要で、記事ではビデオ出力回路とアナログRGB回路が紹介されています。

最初は簡単なビデオ出力回路を製作したのですが、結果はあまりきれいな表示ではありませんでしたので、続いてアナログRGB回路を製作しました。これは流石にきれいなグラフィック画面を表示してくれました。以下に示すサンプル画面はこれによる表示です。


ビデオ出力回路


アナログRGB出力回路

この増設サブシステムカードをFM-7に装着し、12月号に掲載されている拡張BASICを入力してサンプルプログラムを走らせてみました。心配していた、シールド線不使用によるノイズの混入も見られないようです。


「COL」結果


「HMMV」結果


「PAINT」結果

増設サブシステムカードの出力は専用の出力となりますので、ディスプレイが2台必要だったりしますが、工夫して何とか1台の切り替えで表示できるようにしました。

下画像の最上段がディスプレイ切り替えスイッチで1:FM77AV40SX、2:FM77AV2、3:FM-7(通常出力)、4:FM-7(増設システムカード)を切り替えます。中段のボックスの中には以前「アップスキャンコンバータの製作(2021年6月15日)」(https://flexonsbd.blogspot.com/2021/06/blog-post.html)で紹介したアップスキャンコンバータを収めていて、FM-7の出力をこれに入れて、その31KHz出力を最上段の3:に入力しています。最下段はXRGB-2plusでこの21ピンマルチ入力に今回の増設サブシステムカードの出力を入れて、その31KHz出力を最上段の4:に入れています。

中断の切替器のA,B切り替えはディスプレイのCentury LCD-10000VとEIZO L365の切替用のつもりです。


ディスプレイ切り替え回路


私の興味の範囲は言語とプログラミングで、グラフィックは難しそうで近寄らないことにしていたのですが、今回このような回路を製作してサンプルプログラムを走らせてみると、グラフィックも結構面白そうだなと感じるようになりました。

以上、大昔のOh!FM誌に掲載されていた増設サブシステムカードを知人と協力して製作してみたという紹介でした。