2020年6月26日金曜日

FM-7/77用拡張PIAボードとP-ROMライタ

FM-7/77用拡張PIAボードとP-ROMライタの製作


P-ROMライタは持っているので、まれに必要になる2716のような古いデバイスも書き込みができるのですが、古い機種(ADVANTESTのR4945A)ですのでパソコンとの通信速度が9600baudと遅く、4MbitのROMを焼くときには読み込みに時間がかかりすぎて使う気になれません。
ということで、昨年TL866ⅡPLUSを購入しました。これは実に優秀で使い易くてしかも安いので言うことなしと言いたいのですが、残念なことに2764以前には対応していません(メーカーによりますが)。
大昔は自作の8ビット機用にROMライタボードを製作して使用していたこともあり、いつかは作ろうと思ってはいましたが実行する機会がありませんでした。
先日、プリント基板をまとめて発注することになり、ついでにということでROMライタ基板も作成しました。

元にしたのはマイコンピュータ「OS-9活用テクノロジー」(CQ出版社)中の「P-ROMライタ/エディタの製作(阿部英志著)」です。これは、2716から27512までに対応していますが使用するROMに応じてジャンパプラグを差し替えるというもので、その分簡素な回路になっています。

FM-7/77からはPIA(68B21)ひとつで制御するようになっているので、この部分を切り離して汎用の拡張PIAボードとし、フラットケーブルでROMライタボードと接続する形にしました。
(一体化して10x10cmのサイズに収めたもののプリント基板も一緒に作りましたが、製作の予定は今のところありません。)

回路図


拡張PIAボード


拡張PIAボードはFM-7/77の32Pコネクタに接続して使用するもので、FM-7では未使用のアドレス$FD9CにPIAのポートAを割り当てています。

P-ROMライタ

P-ROMライタはVPPの25V, 21V, 12.5VをTL497Aで作り出し、D-FFのLS273でアドレスとデータをコントロールしています。(TL497Aというのがいかにも古いという感じですが、幸い手持ちがありましたし、何と今でも入手可能なデバイスのようです。)


製作した基板


下左:拡張PIA基板 下右:P-ROMライタ基板
上:一体化した基板(製作予定なし)


いつもどこかでドジをする私ですが、今回は2SC1815のフットプリントが2.54mmピッチでなく1.27mmピッチであったことに気づかずにそのまま利用したり、ピッチが5.08mmの270uHや220uFのピッチを2.54mmにしたので、ハンダ付けがとてもしにくい部分がありましたが、配線パターンのミスはなかったようです。(部品を入手してから基板の設計をすべきなのですが、大体が逆のパターンになってしまいます...)


拡張PIA基板の動作テスト


まず拡張PIA基板を製作し、動作テストのつもりで、以前紹介した、PIAを用いてI2C通信によってRTCから時刻の読み出し/書き込みをするアセンブラプログラムを走らせてみました。


拡張PIA基板の動作テスト



Flex9上でRTCを読み書き


正常に読み書きできましたので、このPIAボードが正常に機能していることが確認できました。


P-ROMライタ基板の製作


続いてP-ROMライタ基板を仕上げ、ジャンパプラグも2716用、2732用、2764用、27256用の4種類を作成しました。20Pの丸穴ICソケットを利用しています。



完成した基板

ジャンパプラグ
(左から2716, 2732, 2764, 27256用)


動作風景


試しにP-ROM 27C256を書き込んでみましたが、正常に書き込むことができました。
ただ、今のところ2716にはうまく書き込めていません。(手持ちの2716が古すぎるせいなのかも...)


ドライバソフト


このROMライタのドライバソフトはOS-9上で動作するもので、コマンドも多く、データのスクリーンエディットもできるなど機能豊富なものですが、OS-9は一般的ではないので、他のOS(?)に移植しなければなりません。
とりあえずそのままOS-9上で動作させるということでしばらく触れていなかったOS-9を走らせてみましたが、使い方をかなり忘れてしまっていて、思い出すのに苦労しています。
(でも

2020年6月10日水曜日

FM-7用Z80カードの第3作を製作

富士通の回路を10x8㎝に収めたCP/Mカードを作ってしまいました

3月13日のブログ「FM-7用Z80カードの第2作などを製作」で紹介したI/O誌の記事を元にしたZ80カードでは富士通のCP/M-80が動作しましたし、特に不満はなかったのですが、実は、「F-BASIC解析マニュアル フェーズ2」に掲載されている富士通純正のCP/Mカードの回路図も、いずれ製作するつもりでKiCadで回路図を作成してありました。

しかし、IC数が19個と多いので10x10㎝の格安基板には収まりそうもなく(富士通純正のCP/Mカードのサイズは124x78mmです)、製作費を考えて二の足を踏んでいました。
でも10x10㎝以内のサイズに無理やり押し込んでみたらどうなるかと試してみたところ、何とか10x8cmのサイズに入りましたので、作ってみることにしました。

いつもですと電源ラインだけは太い線で手配線し、残りはFreeRouting.exeに任せるのですが、今回は電源ラインも太くする余裕もありませんし、また、いつも全ICにつけているパスコンもオリジナル回路を忠実に再現するということで少なくなっているので、安定して動作するかという点では不安がありますがとにかく作ってみたものが下の画像です。


製作した基板と完成基板


ICの配置はオリジナルと同じにしてありますし、他の部品もできる限り同じ配置になるようにしてあります。ご覧のように、これ以上は小さくできないというサイズです。

左:純正基板 右:製作した基板


左が純正のZ80カードで、右が製作したコンパクトサイズのZ80カードです。高さは同じ8cmで幅が10㎝と狭くなっています。


動作中の様子1



動作中の様子2


動作中の様子です。私としては珍しくミスがなく、組み立てたらすんなりと富士通のCP/M-80が動作しました。
まだ十分にテストしていませんが、今のところ純正基板と同様に動作しているように思えます。しかし上記しましたように、安定動作するかどうかはまだまだ確認する必要があります。

ということで、2種類のZ80基板を作ってしまいましたが、余った基板は現在発注してある40Pコネクタと共に配布する予定です。
(40Pコネクタが届くのが待ち遠しいです。今回は、以前作った基板から40Pコネクタを外して使用しました。)

2020年6月8日月曜日

2DDドライブ用ステップ2倍化回路のプリント基板化

いくつかプリント基板化した製作物がありますので何回かに分けて紹介していきます。

まずは2DDドライブ用ステップ2倍化回路のプリント基板化です。

2月28日のブログ「2DDドライブと2Dドライブの混在の工夫」で紹介しました、FDCのステップ信号を2倍化して2DDドライブを使用する回路ですが、その目的はタイトル通りで、2DDドライブと2Dドライブを混在させることでした。

その前作である2019年12月31日のブログ「FM-7でPC用のフロッピードライブを使う」ではFDCのSTEP信号をMB8877Aから出た直後に2倍化していましたが、この形では全ドライブが2Dか2DDのどちらかになってしまうということで、それぞれのドライブの直前のケーブルの途中に挿入して別々に選択できるようにしたわけです。

2月28日には手配線したもので動作したという紹介をしましたが、複数枚必要ということで今回それをプリント基板化しました。
2月28日の回路を用いていますが、書き忘れていた7438の11番ピンの1kΩでのプルアップを追加してあります。またソフトについてはFDC基板の中での2倍化はSTEP信号が正信号でしたが、基板の外では負信号ですので、STEP信号の立ち下がりで割り込みが入るように変更しています。

他の基板を発注する際に、ついでにということで慌てて作ったためかKiCadのフットプリントを間違えてしまい、そのため電源用コネクタの一つが5Pになっていたうえにパターンカットが2箇所必要になりました。さらにドライブ番号切り替えスイッチのシルク印刷がDR0とDR1と逆になっていましたが、配線変更等はなかったので良しとします。

製作したプリント基板と組み立てた完成基板です。

製作した基板



FM-7で使用している様子です。MITSUMIのD359M3DとTEACのFD235HGの2台を接続しています。




ハード、ソフトのテストのために先日入手したFM77AV1で使用している様子です。このように使用したいというのが製作の動機でした。(サイズが合わず、ちゃんと固定できていないので多少見苦しいですが...)




これで古い8ビット機のFDDの故障等の心配をすることなく、安心して使用し続けることができます。(と言っても、フロッピーそのものがいつまで使用できるかが問題ですが...)