ようやくAppleⅡのBASIC Subset を走らせることができました
他の方が努力して実現されたものを後追いしているだけなので、何の意味もないと思いますが、それなりに苦労しましたので、これからやってみようと思う方に多少なりとも参考になればと思いまして、その経過をここに残しておきます。
6502を装着した6802ボード |
ハードですが、下のメモリーマップにありますように64KB(32KBx2)のRAMを実装していますが、$F000~の4KBにROMが、さらに$F080からの128byteがI/O領域となっています。
SBC6802のメモリマップ |
これは6809ボードを製作した時にRAM領域をできる限り広くしたかったのと、モニタとしてASSIST09を使用するために$F000~をROMにする必要があったためで、その配置をそのまま踏襲しています。
6502については何も知識がありませんので、夢七さんのブログを見ながら、そのまま移植してみることにしました。
(1)Woz MonitorとApple1 BASIC の移植
まず最初に「SBC6800に6502を載せてApple1を体験する」を元にして、Woz MonitorとApple1のBASICを移植してみました。
幸い、Woz Monitorはメイン部が$FF00~に、$F000~$F036にI/Oルーチンが配置されていたので、ACIAのアドレスを変更するだけで済みました。
また、Apple1 BASICについては上位の32KBのRAMをROMに置き換えて、その$E000~に配置しました。
A1BASICとWoz Monitor |
ソースのアセンブルですが、オリジナルのソースを夢七さんがArcpitのX6502でアセンブルできるように改変してくださっているので、
>MSDOS X6502 /H A1BASIC-WOZV1.ASM,A1BASIC-WOZV1.HEX,A1BASIC-WOZV1.LST
でアセンブルできました。
動作している様子を示します。
Apple1 BASICの動作画面 |
(2)AppleⅡ BASIC Subset の移植
続いて「SBC6800に6502を載せてAppleⅡBASIC Subsetを走らせる」を元にして、AppleⅡ BASICの移植に取り掛かりました。
BASICのサイズが大きいので、ブログのように$E000からアセンブルすると$F080からのI/O領域まで入ってきます。そこで、$F080~$F0FFをスキップするようにORG命令を挿入してみたのですが、そうすると$E000~$FFFFにBASICとWoz Monitorが収まりませんでした。
次に、BASICを$D000からに配置するようにアセンブルしてみました。結果、BASICは$D000~$EE46に収まりました。Woz Montitorは先のA1BASICの場合と同じように$F000~にI/O、$FF00~にWoz Monitorを配置しました。
ところが、アセンブルした結果をROMに焼いて走らせてみましたが、正常に動作しません。
何回見直してもソースやアセンブル手順に間違いはありません。6502の知識が全くないのでほとんどお手上げ状態でしたが、ソースをじっくり眺めているうちに、FDB命令がコメントアウトされて、その後ろにbyte命令でバイト列が並んでいるという形があちこちにあるのに気づきました。
試しに、FDB命令を元に戻し、byte命令をコメントアウトしてアセンブルしてみるとbyte命令のバイト列と同じようなコードが生成されましたが、よく見ると2バイトコードの上位下位が入れ替わっています。
つまり、夢七さんが改変されたソースはX6502でアセンブルするために、元のソースで使われている.addrのようなX6502では対応していない命令をFDBに置き換えるという対処をしているのですが、FDBではアドレスの上位下位が自動では入れ替わらないために、アセンブルしたコードのうちのアドレスの上位下位を入れ替える必要がある部分をbyte命令で直接記述していることが分かりました。ということで、このソースは$E000からアセンブルすることを決め打ちしているので、$D000からに変更してアセンブルしても正常に動作しないわけでした。
そこで、まずソースのFDB命令を元に戻して$D000からアセンブルし、得られたコードのアドレス部の上位下位を入れ替えてbyte命令に並べ、FDB命令を再度コメントアウトするという操作を加えることで、X6502でアセンブルできるソースができあがりました。
そのソースを改めてアセンブルし、得られたバイナリをROMに焼いて走らせてみたところ、今度は正常に動作しました。
メモリマップを示します。
AppleⅡBASICとWoz Monitor |
動作している様子です。
AppleⅡの動作画面 |
(3)ASCIIART を走らせてみる
BASICが無事に走ったということで次はASCIIART.BASを走らせてみました。
ASCIIART結果 |
描画時間は手動計測ですが4分21秒程度でした。なお、システムクロックは2MHzです。
今回は元のソースに見慣れない疑似命令が使われていたために移植に手間取りましたが、それでも夢七さんがX6502でアセンブルできるように改変してくださったために、何とか移植ができました。夢七さんに感謝いたします。
移植に手間取っている間にMouserからW65C02S6とW65C816S6が届きました。このW65C02はもちろん正常に動作しました。W65C816を購入したのは、アキュムレータが1個しかない6502では6800よりもアセンブラでプログラミングしにくいと思うのですが、W65C816なら6800と同じような感じでプログラミングできるかもと思ったからです。
いつかはW65C816のシングルボードを作ろうと思っていますが、いつになりますやら。