MC09でASSIST09など用のPL/0の実行ファイルを作成していて気付いたこと
前回のブログで、MC09でコンパイルした実行ファイルをASSIST09などで走らせる方法を紹介しました。
その中で、wnoy さんのサイト「小さな言語」中でPL/0をMC09でコンパイルしてMPB6809のモニター上で走らせておられたので、それを私も走らせてみたと書きましたが、実際には、それはMPB6809のモニターを実装してサイト中のバイナリリストを入力したものを、そのまま走らせたということでした。
前回も掲載した画像ですが |
上記サイトにはMC09でコンパイルした結果のアセンブルリストが掲載されていたので、その中のI/O関係を自分の環境に合わせて書き換えてアセンブルすれば実行ファイルが生成されるはずです。
しかし、実はこのようにして生成された実行ファイルは、最初は正常に動作しませんでした。
私が通常使用している6809用のアセンブラはFLEX09上のASMBと自作のWindows上で動作するクロスアセンブラです。加えて、リファレンス用としてアークピットさんのX6809を使用しています。
残念ながらPL/0のアセンブルリストはラベルの長さが6文字を超えているためにASMBではアセンブルできないので、自作のクロスアセンブラでアセンブルしていましたが、結果がwnoyさんのものと異なってしまうのです。これは自作のソフトのバグかと疑って、X6809でアセンブルしてみても結果は自作のものと全く同じでした。
LEAX 2,PC という命令の変換結果がおかしい!
誤変換されてしまう命令を示します。MC09によるコンパイル結果のアセンブルソースでは、文字列の表示に下記のパターンが多用されています。(十数か所あります!)
LEAX 2,PC
BRA ZZZZ <- 表示ルーチンへ
FCB $xx1,$xx2,$xx3,...,$xxn
ZZZZ (表示ルーチン)
これは、LEAX 2,PCで表示すべき文字列の先頭のアドレスをXに入れておいて、BRA命令で表示ルーチンへ飛んでいるわけですが、問題は先頭行の LEAX 2,PC で、これが正しく変換されていないのが正常に動作しない原因でした。
wnoyさんのサイトでは、変換結果は 30 8C 02 であるのに対して、自作のアセンブラやアークピットさんのX6809ではいずれも 30 8D XXXX となりますし、LEAX <2,PC と書き換えてみても X6809では 30 8C XX となるのですが、XXは02にはなりませんでした。
参考までに、X6809でのアセンブル結果を示します。
このLEAX命令の意味としては、LEAX命令の位置のPC値に2を加えた値をXの値とするということですから、EFFEやF2という値は明らかにおかしくて0002や02にならなければなりません。
結局、自作のクロスアセンブラを修正することになった
めったに使うことのない命令でしたので気づくのが遅れましたが、自作のクロスアセンブラを正しく変換できるように修正し、改めてPL/0のアセンブルリストをアセンブルし直した結果、正しく動作する実行ファイルが得られました。ということで、ようやくPL/0をASSIST09や自作モニター上で走らせることができました。(長かった、、、)
ちなみに、この変換結果はアークピットさんのX6809だけでなく、FLEX09上のASMBでも同様で上記と全く同じ結果となります。ということは、これは誤変換ということではなく、このLEAX命令の解釈としては上記の変換結果の方が正しいということを意味するのでしょうか。しかし、実際に実行してみると、30 8C 02 でないと正しく動作しないのですが,,,
(wnoyさんがどのアセンブラを使用されたのかは分かりませんが、アセンブルリストの行末記号が$0Aですので、おそらくLinux上のクロスアセンブラas09を使用されたのだと推測しています。)