2019年8月16日金曜日

FM-7/77用のRS232Cカードを作りました

富士通純正のFM-7/77用RS232Cカードの回路図を元にして基板を作りました。


YSFLIGHT.COMさんが富士通純正のRS232Cカードの回路を解析して回路図を公開されていましたので、私もその回路図を元にして作成してみました。

以前、FM-7でZ80カード(とCP/M-80)やOS-9Level1を使用していた頃はRS232Cカードも所有していたのですが、FM77AV40SXがメインになってからは、もう使うことは無いだろうと思ってFM-7一式を処分してしまいました。
ところが最近になって、FDDの代わりにSDカードやWin上の仮想ドライブなどを用いてFM-7を使うという試みをネット上で見ることがあり(shuji_akita2001さん、日本橋電気街俳諧日誌さんなど)、自分もやってみようということで放置してあった残りのFM-7を2台引っ張り出してきました。

まずはWindows機と通信ができなければ話にならないということで、shuji_akita2001さんから頂いたFT-245を用いた基板を使用して始めていました。
そんな中で、YSFLIGHT.COMさんのブログを見て、純正と同じボードを持っているのも悪くないな、FM-7が2台あるのだから2枚作れば良いかなと思って作ることにしました。

YSFLIGHT.COMさんが公開された回路図を見ると75188と75189を使っているので、今どきこれはないだろうということで、この部分をADM232に置き換え、さらに格安基板にするために10cmx10cmに収めることを目標に作成しました。
その結果、ADM232がIN/OUTそれぞれ2セットしかないので8251AのDTRとDSRは未接続となり、純正とは完全互換ではなくなりましたが、この2つを使用したソフトはまずないだろうと考えました。結局、10㎝×8cmのコンパクトな基板が出来上がりました。

回路図を下に示します

回路図(間違いあり)

実はこの回路図には1箇所間違いがあります。ADM232のピン2に接続されているC17はGNDではなくVCCに接続しなければなりません。

間違いを修正して無事に動作したと言いたいところですが、修正中に誤って隣のラインもカットしてしまったことに気づかず、送信はできるのに受信ができないという変な現象に悩まされることになりました。全配線を確認する作業の後、ようやくカットされた箇所を見つけて修理、無事に動作しました。

YSFLIGHT.COMさんは、C-MOSの8251Aなら38400baudで動作したと書かれているのですが、私のところでは、’83年製の8251Aでも38400boudで動作しました。(短いデータの通信しかしていませんが...)

動作している様子を示します。
F-BASICのプログラムでWindows機のTeraTermに送信し、TeraTermからファイル送信されたデータを受信して表示しています。38400baudで動作しています。


動作画面

下画像のようにRS232Cカードから自作のストレート/クロス変換ボードを通してRS232C-USBケーブルでWindows機に接続しています。
また、ディスプレイですが、以前使用していたXRGB-2は処分してしまったので、画像にあるようにFM-7のグリーンディスプレイ端子から自作のケーブルでI-O DATAのTVBOX2のコンポーネント端子に接続し、RGB出力をCENTURYのLCD-10000Vに入れています。
これでも80x25で表示できています。

接続の様子

基板の装着状態です。フラットケーブルで取り出せば、カバーを閉じることができます。

基板のアップ(1)


基板のアップ(2)

基板の表面と裏面を示します。
実は製作で最も時間がかかったのはD-Sub9ピンの工作です。使用したのはD-Sub9ピンのメスコネクタのL字タイプのものです。これの余分な個所をヤスリで削り、ピンをストレート状態に直してハンダ付けしています。(もう少し削って薄くした方が良かったようです...)

完成基板と生基板の表面


同裏面(本来不要な修正線が入っている)

ということで、無事に38400baudで動作するRS232Cカードが出来上がりましたので、FDDもカセットテープもない素のFM-7ですがプログラムを送り込んで動作させることができそうです。

今は、FLEXやOS-9と同様なF-BASIC用の仮想ドライブ構築ソフトFbasDrvWin.exeを作成してありますので、F-BASIC側のDISK BASICのFDDアクセスルーチンをフックして仮想ドライブをアクセスするように切り替えるルーチンを作成中です。
(それにしても、F-BASICをほとんど使用したことがないので良く分からないことが多い...)
素のFM-7なので保存する手段がなく、FM-7側の切り替えルーチンを送り込んで動作を確認という作業を繰り返すのにこのカードを使用しています。
完成すれば、このRS232Cカードではなく、shuji_akita2001さんの基板に置き換えて高速化を図る予定です。

回路図を公開していただいたYSFLIGHT.COMさんに感謝いたします。


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