2024年11月8日金曜日

HD63C03YPを使用したシングルボードマイコンの製作

 HD63C03YPを使用したシングルボードマイコンを製作してみました

今年の2月頃にブログ「居酒屋ガレージ日記」の「行商(ジャンク品頒布)」のコーナーで、64ピンのHD63C03YPを6個もソケット付きで分けていただきました。ありがとうございました。

今までに「電脳伝説」のVintagechipsさんの6303SBCは製作したことがあったのですが、64ピンの6303は40ピンのものと何が違うのだろうという興味もあって、分けていただいたのを契機に製作してみることにしました。

データシートを読んでも、モード切り替えなど理解できていない点があったのですが、ネットの記事を参考にしたりしながらなんとか回路をでっちあげて基板を作成しました。

これが製作したHD63C03YPマイコンです。

HD63C03YPマイコン

その回路図を示します。

HD63C03YP R1.1


この回路図は、現在の基板のミスの修正と多少の変更を加えたものです。
また、4053Bによるポートの切り替え部はモード設定のつもりだったのですが、どうも不要だったようです。ということで、最小でMPU、ROM、RAMと1個のゲートICのみで構成できることになります。
メモリマップは、64KBのうちの下位32KBがRAM、上位32KBがROMで、必要なプログラムはROMに入れて使用するという前提です。(とりあえずは最上位の2KBにモニターを入れます。)

LILBUGをインストール

回路はできても問題はソフトです。まず、モニタープログラムが必要ですが、ハードが正常に動作するかが分からない状態でいきなり自作のモニターを入れるというわけにもいきませんので、とりあえず、回路の動作確認のためにLILBUGを入れてみることにしました。
(いずれは6303SBCに自作のモニターを入れたように、これにも自作のモニターを入れて操作性を統一するつもりです。)

LILBUGの英文マニュアルはネットで得られたのですが、ソースは見つからなかったので6303SBCを製作したときのソースを使わせていただきました。

他の方々はアークピットさんのクロスアセンブラX6801を使うことが多いようですが、私は以前作成してあったWindows上で動作する自作のクロスアセンブラ6303AsmWin.exeを使いました。残念ながらIF文には対応していないので、その部分は決め打ちする形に変更しましたが、他は変更せずにアセンブルしROMの27C256に焼いて装着しました。

最初は回路図のようにクリスタルとして最高速の12MHzを使用していましたが、ボーレートが適切な値にならないので9.8MHzに交換して19200baudでTeraTermと通信しています。
下図はダンプコマンドの実行例ですが、もちろん、書き込みも正常に行えました。


LILBUGが動作

無事にLILBUGが正常に動作したことから、ハードが正常に動作することが確認できましたので、次は6303SBCの時と同様に、自作の6802用モニターを改造してインストールする予定です。

終わりに

現在のところ、40ピンの6303との違いとして分かったことですが、アドレスラインとデータラインが独立していること、動作モードが一つしかないらしいこと、内部RAMはソフトの設定で無効にできるということぐらいです。

また、ちょっとした不具合ですが、パワーオンリセットが効きませんので、電源ON後にリセットボタンを押す必要があります。

以上、HD63C03YPを使用したマイコンを作ってみたという報告でした。

改めて、MPUとソケットを分けていただいた「居酒屋ガレージ日記」さんに感謝いたします。


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