2022年8月24日水曜日

ESPRIMO D583/HXのマザーボードにSATAコネクタを取り付ける

 常用のWindows機のマザーボードにSATAコネクタを増設してみました


動機

私の常用機は富士通のESPRIMO D583/HXです。使い始めてもう7,8年になりますが、これを選んだのはビジネスユーザ向けということで、余計なソフトが入っていないことと、ある程度仕様を選択できることからでした。

今までに、Windows8.1を10に、メモリを4GB->8GB->12GB->16GBと増設し、500GBのHDDを500GBのSSDに交換してきましたが、いよいよディスクが窮屈になってきていました。

ちなみに、ファイルの保存等には4TBと2TBの2台のLANDISKを使用しているのですが、プログラミング時などのWorkエリアとしてSSDの200GBをDドライブとして使っていたので、Cドライブが残り少なくなってしまったということです。

そこで、現用のSSDを全てCドライブにして、Workエリア等としては、以前購入したままにしてあった3TBのHDDを使用することを考えました。

ところが何と、D583/HXのマザーボードにはSATAコネクタが2個しかないのです。これではSSDとDVDドライブの2台でおしまいです。筐体を開けてマザーボードを見ると、SATA1というパターンはありますが、コネクタが実装されていません。。。

(サブ機はHP製で、これには十分な数のSATAコネクタが実装されていたので、HDDの増設が簡単にできたのに...)

ということで、始めは画像のようなHDDスタンドを購入して使用していました。これによって、確かに簡単にHDDを増設できたのですが、使用しているとUSB3と言えども遅いのですね。(このスタンドのせいではなく、本体がUSB3.0なので仕方がないのですが...)HDDのフォルダを最初に選択した時には、最悪数秒待たされるのです。その後はまあまあ普通にアクセスできるので良いのですが、今までSSDの速度に慣れてしまっていたためか我慢ができません。


当初使用していたUSB3のHDDスタンド

SATAコネクタを増設された方がいた!

そんな時に、マザーボードに直接SATAコネクタを増設したという蓼科電研さんのブログを見つけました。

正に目からうろこで、これならHDDも内蔵できるし速度も上がるだろうという事で、早速部品集めにかかりました。しかし、こんなことをする人はあまりいないようで、まずSATAコネクタが見つかりません... aitendoでは扱っているようですが品切れですし、DigikeyではMolex製を扱っていますが、両端の固定ピンが平行で、マザーボードのパターンとは合っていません。また、直流カットコンデンサも蓼科電研さんのブログではパターンが小さいので、容量が22nFでサイズが1005が良いと書かれていましたが、これも手に入りにくい... 結局、何とかなるという甘い考えでMolexのコネクタ2種と、サイズ1608の22nFのコンデンサを入手しました。


マザーボードの現状

左下部にSATAコネクタが2個ありますが


D583/HXのマザーボード


その下部のSATA1にはコネクタが実装されていません。

SATA1のコネクタが未実装


裏面を見ても、直流カットのコンデンサ4個も実装されていません。。。

Cも未実装


コネクタ増設作業

まずはパターンのハンダ除去作業から取り掛かります。

私のハンダ吸い取り器は十年ほど前にヤフオクで入手したHOZANのHS-800というとても古いもので、入手時から真空ポンプの吸引力が弱っていましたが、消耗部品もストックしてあるので使い続けています。(さすがに今回のマザーボードは手強かった。)


ハンダ吸い取り器

両端にある固定ピン用や信号用の穴はすぐにハンダが吸い取れましたが、GND用の3つの穴のハンダはなかなか抜けず、何度も試みているうちにすぐ隣の信号用の穴がふさがってしまったりで、結局30分ほどもかかってしまいましたが、何とか吸い取ることができました。


ハンダ吸い取り前



ハンダ吸い取り後

パターン付近が汚れてしまいましたが、ハンダは吸い取れています。


SATAコネクタを実装

SATAコネクタは片側の固定ピンを無理矢理曲げることで、何とか取り付けることができましたが、問題は直流カットの4個のコンデンサの取り付けでした。

基板のパターンはやはり1005用らしくてとても小さく、サイズ1608のコンデンサはとにかく大きすぎました。何とかハンダ付けしてみましたが、隣と接触してショートしてしまうのです。ということで、結局直接の取り付けは諦めて、0.32mmのポリウレタン線を10~15mmぐらいに切って1608のコンデンサにハンダ付けして、その先を基板にハンダ付けしました。画像はとても見苦しいですが、カプトンテープで絶縁してあります。


Cを4個取り付けたが...


仕上げ

以上で、無事に3つ目のSATAコネクタが使えるようになりましたので、SATA0にSSD、SATA1にHDD、SATA4にDVDを装着して、SSDを取り付けてあった位置にHDDを取り付けました。SSDはとりあえずですが、画像のようにライザーカードに空いている穴の一つを利用してねじ止めして、あとはテープで固定してみました。

(ちなみに、本来のライザーカードはPCIスロットが2個のものでしたが、当初はSATA拡張カードを利用することを考えていたのでPCIeスロットのものを入手して交換してあります。結局今回は使うことがありませんでしたが...)


SSD取り付けの様子


結果


動作させてみた結果ですが、間違いなくHDDのアクセスは速くなりました。USB3のHDDスタンドの場合にあった最初のアクセスが待たされる現象が無くなり、快適に使用できています。また、外付けだったHDDが内蔵できたのも良かったです。


終わりに

以上ですが、マザーボードを加工してSATAコネクタを増設するという報告があまり見当たらないようですので、私の試みを紹介させていただきました。

と言いましても、何も新しいことはありませんで、殆どが蓼科電研さんのブログの後追いにすぎません。蓼科電研さんに心より感謝いたします。

強調しておきたい事は、ハンダ吸い取り器がないとマザーボードのハンダの吸い取りは絶対に無理だという事、直流カットコンデンサのハンダ付けはサイズ1005のコンデンサが必須で、しかも細いコテ先のハンダごてが必要だという事の2つです。SATAコネクタについては固定ピンがパターンと合っていないものでも、無理矢理ですがピンを曲げることで何とか取り付けることはできるようです。

万が一、同様な試みを実行してみようという方がおられましたら、最悪の場合はマザーボードを破壊してしまう可能性がある事をご承知ください。私の場合はたまたまうまく行っただけかも知れませんので。


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